588 :1/2 :2013/10/04(金) 10:19:38.51 ID:pTjcFv0vO

まつざきあけみの掌編シリーズ「肖像画はかく語りき」から「死の清算」

病弱な妻A子に先立たれた作家は、編集者B子を後妻にした。
病床のA子が、
あたくしは悪妻でした、病気ばかりで貴方に尽くす事もできず迷惑ばかりおかけして…あたくしを哀れに思し召すのなら、どうかB子さんを後添えになさいまし。
と言い遺したため。

B子は原稿を催促するために作家宅へ通ううちに、荒れた家の中を見かねて家事をするようになり、作家を尊敬する気持ちがいつしか愛に変わっていた。
後妻に迎えられて嬉しいはずが、作家は自分を愛しているから再婚したのではなく、「愛するA子」の言いつけに従っただけではないか?
と疑ってしまい、気が晴れない。
編集者の立場を越えてあれこれ作家の世話をやく自分を見ていたA子の目付きはぞっとするほど冷たいものだったし、作家は死ぬ間際のA子が懇願したので、A子の肖像画を書斎に飾っているのだ。

うっかりぬるいお茶を出してしまい、
「A子ならこんな事は一度もなかったのに」
と言われたB子は、
(ホホホホ…若く美しく健康なだけのB子さん、貴女は主人の何をご存知なのかしら)
と肖像画のA子に嘲笑された気がして、着物を脱いで作家に抱きついた。


591 :本当にあった怖い名無し :2013/10/04(金) 13:55:35.65 ID:hIzyDp8s0

>>585

こういうことが多いよね、ってのはよくある意見だってのを自覚して言ってるんだけどな
斬新なコメントしか認めないとは厳しいね


615 :1/2 :2013/10/05(土) 10:06:41.22 ID:1Wm60PWvO

アラビアン・ナイトの一挿話

美少女の従妹と婚約中の美青年、妖艶な美女に一目惚れするが、美女は窓から彼を見下ろし意味ありげな身振りで謎をかけるだけで引っ込んだ。
青年は馬鹿正直に従妹に話し、謎を解いてもらった。
曰く、人差し指をくわえたのは「あなたが欲しい」、その指を胸の谷間に埋めたのは二つの乳房が日数を表すから「二日後に来い」

美女はそれから何度も謎をかけ、青年の本気度を確かめるように焦らしに焦らした。
五本の指を見せてから手鏡を袋にしまい、赤いハンカチを揉んだのは
「五日後の夕方、染物屋に来い」
やっと女の屋敷に招かれたが、ご馳走を食べすぎて床入りの前に寝てしまった青年のへそに塩を詰めたのは
「調味料を利かせなければ食えたものではない最低の男」
同じ失態をもう一度やった青年の横に、太い骨と軽い毬、二枚の銀貨と一振りの短刀を置いたのは
「図体ばかりでかくて空っぽな馬鹿。銀貨のように目を光らせて起きていないと今度は殺す」

従妹のおかげで試練を乗り越えた青年は美女にのめり込み、昼夜を問わず入り浸った。
従妹は悲しんでやつれたが、青年は全く気づかない。
親の言いつけで婚約したが、子供の頃から一緒に暮らしていたので従妹を異性として意識した事はなかったのだ。


617 :本当にあった怖い名無し :2013/10/05(土) 10:18:57.66 ID:LWpovU+a0

いや、アラビアン・ナイトの時代を考えるとそれでも多い方なんじゃないの?
むしろ愛のある結婚が何回も出てくるのもリアリティがなかったのかも
そもそも妻に裏切られて女性不信になった王様を改心させるための話って設定なんだしさ


619 :本当にあった怖い名無し :2013/10/05(土) 10:20:41.39 ID:S8j/hrWW0

阿刀田高のアラビアンナイトを知っていますか?だな
主人公ざまあ従妹カワイソスとしか思わなかったw


621 :1/2 :2013/10/05(土) 11:09:56.19 ID:AUyAw2u20

10年くらい前にNHKでやっていた麻薬はダメ系のドラマ

主人公(中学生)にはカメラが趣味の兄(大学生か専門学生)が居る
ある時兄は悪い仲間にそそのかされて覚醒剤に手を出し、何度か吸引
だがわりと浅い段階で仲間が逮捕され、兄も芋づる式に分かる
初犯だからか、自分で買ったりはしなかったからか、そこまで大事にならずに家に戻る

しかし禁断症状が出てしまい、我慢できずに自分で覚醒剤を買うようになる
しかもバレるとマズいということが分かっているので、家のあちこちにこっそり隠す
隠したのは自分なのに、「どこに隠したんだ」と母親を殴る
兄の豹変ぶりに主人公は心を痛めるが、警察に通報し、兄は更正施設に送られる

実は兄には恋人が居て、1度目の逮捕の時に兄から別れを告げた
しかし施設に献身的に通う彼女に兄は心を打たれ、もう2度と手を出さないと誓う


622 :2/2 :2013/10/05(土) 11:12:41.81 ID:AUyAw2u20

少し時が経ち、兄は出所、主人公は高校生。仕事も見つかり、兄は例の彼女と結婚する
その結婚式のトイレで、兄と並んでおしゃべりする主人公
兄は主人公に「迷惑をかけて本当にすまなかった。これやるから使ってくれ」と自分のカメラを渡す
データを見ると、覚醒剤に手を出す前の家族旅行の写真とかがある
「今の兄貴はこの時と同じ穏やかな兄貴だ」と主人公のモノローグ

新しい兄の第一歩、ドアを開けた兄貴の背中を撮ろうと思い、カメラのレンズのフタを開ける主人公
途端、覚醒剤の入った小袋が床に落ちた
トイレを出ようとしていた兄が振り返り、その小袋を凝視した後、無表情で顔を上げる
いきなり暗くなって終

どうなるんだこれ!と本当に驚いたのを覚えている


引用元:http://toro.2ch.net/test/read.cgi/occult/1379335882/